アメリカでは州によって消費税が異なる。サウスゲイトはミシガン州に位置するが、南のオハイオ州までは車で45分程である。リチャードソン家のお母さんは、月に一度は、消費税が低いオハイオ州のトレド市に肉の買い出しに行っていた。

アメリカは連邦制国家である為、各州の独立性が大変高く、州は独自の法律も持っている。そこで税率等も各々の州が独自に決定する。因みに、2023年6月現在消費税がゼロの州は、アラスカ州、デラウェア州、モンタナ州、ニューハンプシャー州とオレゴン州である。

また所得税がない州もある。アラスカ州、フロリダ州、ネバダ州、サウスダコタ州、テネシー州、テキサス州、ワシントン州、ワイオミング州である。

第2章

アメリカ以外の世界を知ろうと旅した放浪時代

アメリカでの留学生活を終えて日本に戻った私は、今更日本の大学へ入る為の受験勉強をする気にはなれず、何をしようかと考えている時、イスラエルのキブツを紹介する本を読んだ。

今になってはその本の題名も著者名も覚えていないのだが、

「キブツはシオニズム運動(世界中に離散したユダヤ人の為のホームランドを作る目的に1890年に始まった運動)の一環として今のイスラエルの地に作られた生活共同体で、キブツ内では社会福祉が平等に保証され、貧富の差もなく、男女平等に労働に携わる」

というようなことが書いてあった。

社会主義者が唱えるユートピアの様なところなのだろうか? しかしイスラエルは、民主主義国家である。民主主義国家の中に存在する社会主義的生活共同体とは、いったいどんなところなのだろう?という疑問を持った。

私は、早速イスラエルのキブツの本部に問い合わせの手紙を出した。3週間後、待望の返信が来た。それによると、キブツのボランティアワーカーになる為の資格は特別にないので、健康であって、妊娠中でなければ、誰でも歓迎するというものであった。

【前回の記事を読む】飛行機の左翼がよく見える窓側に座っていたところ、翼から火花が散っているのが見え…