リハビリ第一ステージ・第二ステージを経て第三ステージへ
第一ステージの(二○一二年二月)入院から二〇一五年七月までの基礎筋力づくりの3年半を経て、第二ステージに入り、開発されて間もないロボット歩行器一号器RT.1、その翌年には当初のRT.1をコンパクトにした、二号器RT.2に出合いました。
第一ステージの3年半のリハビリで、少しずつ手先も動くようになり、この歩行器の両手ハンドルを握る握力がついてきたこと、それに両手を手すりに頼りながらも1歩2歩と前に進む脚力、体を支える腹筋、体幹の力が少しずつ備わってきたこと、それらが相まってラッキーにもタイミングよくこの歩行器を使うことができるようになりました。
一号器よりコンパクトでコストダウンにもなり、介護保険の対象として認可された、このRT.2は外出に使いやすいので、屋外用とし、当初のRT.1は自宅・屋内用といたしました。
この歩行器のコンセプトは“動く手すり”。両手ハンドルが手すりとなり、自力で歩いているのと同じ感覚で歩くことができます。
“車いす頼みの生活から脱却して早く歩けるようになりたい”との切なる願いをかなえてくれるよき相棒であり、命綱であります。
二○一五年七月から二○一八年六月までの第二ステージの3年の間に、この歩行器を相棒に日常の行動範囲が広がり、まずは、「住んでいる宝塚から大阪梅田まで電車で行けるようになりたい」としていた念願の社会復帰への希望がもてるようになりました。
今では、単に障がいのケアとしてのリハビリの道具ということにとどまらず、日常生活を取り戻す“足”として、まだヨチヨチ歩きながらも家内と二人で(前の住まいの)自宅から宝塚駅界隈までの急な下り坂も克服しながら、週4~5回ぐらいはショッピング・ランチなどに出かけるまでになり、少しずつ日常を取り戻してまいりました。
また二○一八年の後半からはリハビリ第三ステージとして、さらに高みの目標として、両杖のポールウオーキングの練習をいたしております。しかしながら、頸髄損傷で失われた神経を代償するだけの歩行機能・神経・筋肉、腹筋・体幹がまだ備わっておらず、すでに3年近く修練してきましたが、まだセラピストなどのアシストが必要な実験段階にあります。
また、昨年二○二○年三月からは、本来の歩行に近い、背筋を伸ばした姿勢での歩行を練習する(脳と身体に覚えさせるため)ポラリス社のPウオークという歩行装置を使って歩行練習をしております。
これは、トレッドミルという歩行訓練マシンに天井から紐を吊り下げ胴体を支えるハーネスという安全免荷装置付きで、この自立歩行に近い姿勢での歩行訓練によって、相棒・ロボット歩行器で歩く時も、歩く姿勢が良くなってきたと言っていただいております。