第2章 認知症と共に生きる人生が始まる

少子社会における親の介護を検討する

母が認知症になってからの歩みをお話しするまえに、日本のこれからの介護、特に少子社会における老親介護について考えてみたいと思います。その中でも特に「女の子」と母親の介護について検討しましょう。

○国立社会保障・人口問題研究所の全国家庭動向調査注3 によるといくつかの興味深いデータを示しています。この調査は5年に1度行われていて、第4回:2008年、第5回:2013年、そして直近では2018年に第6回調査が行われています。

この中で「子との同居」について、以下のように記されています。

❶ 子との同居:32.4%(全体の男) 詳細:配偶者のいない子との同居;25.2% 子夫婦と同居;7.2%

❷ 子との同居:38.9%(全体の女) 詳細:配偶者のいない子との同居;26.6% 子夫婦と同居;12.3%

⇒女が子夫婦との同居率は高い・・・全世代

80歳以上 子夫婦との同居(女性):23.4% 子夫婦との同居(男性);14.3%

我が家のような女の子との同居を拾い上げると、子との同居をしている割合は38.9%、そのうち、配偶者のいない子との同居は26.6%、子夫婦との同居は12.3%です。80歳以上を見ると、女性(すなわち母)が子夫婦と同居している割合は、23.4%で男性(すなわち父)の14.3%より高くなっています。これは様々な読み方があるのでしょうが、第一には男性より女性の高齢者が多く、長命であり、独居世帯も多いこと。また父親より母親の方が同居の負担が少ないことなどが考えられます。

少し掘り下げて調査回別の状況をみておきましょう。

○どちらか(夫または妻)の母親との同居割合をみると、

第4回:23.9%、第5回:28.9%、第6回17.6%と、減少していることが分かります。

○妻の母親との同居割合をみると

第4回:16.6%、第5回;22.5%、第6回:10.5%となり減少しています。ただ第5回調査(2013年)ではどちらの数字も高く、その反動で、第6回の結果の減少幅が大きくなっています。これは憶測の域を出ませんが、これらは2011年にあった東日本大震災の影響を受けて、一時的に同居割合が高まったためではないかとも考えられます。また高齢者の別居から同居の割合は、大きく低下しています。

 

注1:認知症を否定したい気持ちは多くの方々が持つ共通の感覚のようだ。こうしたときには一人で抱え込まず、市区町村や地域包括支援センターと相談し、以下のサービスも利用してみたらと思う。「認知症初期集中支援チームによる支援」。

注2:エリザベス・キューブラロス「死ぬ瞬間 死とその過程について (中公文庫)」中央公論新社 初版2020年

注3:全国家庭動向調査は国立社会保障・人口問題研究所のサイトから確認できる。

【前回の記事を読む】認知症の進行と社会的孤立が悪循環を生み出すこととなる