第二章 財政再建シミュレーションの検証

財政再建計画の概要

それでは、どうやって少子高齢化が進んだ現状の日本で、市場を活性化させれば良いのでしょうか? どうやったら少子高齢化を食い止め、女性の合計特殊出生率を二・〇七人まで引き上げられる事ができるのでしょうか? そしてなおかつ、それを行いながら財政の均衡をも同時に図っていかなければなりません。

私はこの本の冒頭で、日本で深刻化している様々な問題の根本原因は少子高齢化であり、それを克服するために今からいくら政府が頑張ったとしても、もうすでに手遅れであると述べました。そして、もはや移民を受け入れる他、日本が生き残る方法はないとも思っています。

この第二章では、本当にそれ以外の方法はないのかどうかを、数値的に詳しく検証するため、移民政策も含め八つの財政再建シミュレーションを作成する事にしました。

各シミュレーションの内容を簡単に説明すると、一つ目は現在の年金生活者の気持ちを忖度し、あくまで現行の社会保障制度の見直しなどを一切何も行わず、消費税を増税する事によってのみ財政再建を目指す案がシミュレーション1と2になっています。

まず、シミュレーション1では、二〇二五年から徐々に消費税率を上げていき、二〇四〇年までに税率を20%にまで引き上げてみました。

またシミュレーション2では、五年ごとというのんびりとした計画ではなく、財政の均衡をすぐにでも図るため、消費税を二〇二五年にいきなり30%にまで引き上げてみた場合の計画になっています。

【前回の記事を読む】経済成長し続ける国は、移民などによって人口が増え続けている。