惑星キチェケ
地底都市フンハウ
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クステリア「宇宙はビックバンで産まれたと言われているでしょ?
でもこのビックバンとはとても不自然だから宇宙を作った創造主がいると主張する人がいるの。急成長する宇宙とボイドと呼ばれる何もない空間が両立する為にビックバンは巨大なホワイトホールの斥力で散らばり同時にビックバンの欠片がボイドを作ったと言うのよ。
重力で時間がゆっくりになるなら反重力は加速時間で時間の流れが速くなるから宇宙は急速にできたと言うのよ」
信介「関係ある話か? それは?」
クステリア「冷たい太陽とはビックバンのとても小さな欠片と考えられるのよ。この現状では」
信介「地球のコア近くで本来7000度近いはずなのにこれだけ温度が低い理由は?」
クステリア「その人は他にもユニークな仮説を出していて、『ブラック・ホールに行って温度を測ったら何度を表すか?』という常識的には馬鹿馬鹿しい論文を出しているんだけど。 ……まあ常識では測れないから無意味な議論と考えるよね?
でもその人はブラック・ホールに行って温度を測れば人間が感じる時間で温度を測るから果てしなく引き延ばされた時間で放出された温度が一瞬で感じるから恒星並みの温度を表示されるのではないか? ブラック・ホールは空間の穴ではなく重力で光すら出さない塊だそうよ。
ならば逆にホワイトホールは斥力で見ることもできないがただの塊で加速時間で引き延ばされる。地球の7000度ですら引き延ばされて30度で一定みたいにね」
ワルテル「問題はそのビックバンの欠片の崩壊だな」
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スコット「精霊の技術を地上で学ばせてもらえないか? その代わりアタワルパの交流で地上の物産を持ってきます。……それに冷たい太陽の崩壊の時、逃げ場所が無ければ滅びてしまいますからね」
「う~ん」キタイは考え込んでいる。
クステリア「調理場をお借りしていいですか?」
干し肉を入れた料理を食べさせ籠絡させた。
胃袋掴めばなんとかなる交渉は確立しつつあった。
技術提供のためコアトリクエの技師のチャスカがついてくることになった。
次の都市のコヨルシャウに移動することになり、また帆船に乗り込んだ。