晋書(しんじょ)(晋書八十八・列傳巻(れつでんかん)第五十八・王延(おうえん)

【12】「王延」

(しん)の国時代(西暦300年頃)での頃のお話です。

晋の王延は九歳で母を亡くしてしまいいましました。ひどく泣き、悲しみにくれて三年が経ち、まったく全く元気を無くしてしまいました。

母の命日になる度に涙を流して泣くこと十日間。

継母(けいぼ)(ぼく)氏はの、この間の(えん)に対する接し方は、とても冷たく無慈悲でした。

それでも延は母に孝行すること益々、謹み深く接していきます。

ト氏がある冬の厳しい時期に魚を食べたいと思いました。延に魚が食べたいと求めましたが魚を得ることができず、ト氏は延を棒で叩いて、延は血を流してしまいました。

延は汾水(ふんすい)という川に行き、氷を叩いて割りながら泣いていました。

すると突然、一匹の大きな魚が氷を割って飛び出してきました。延は、その魚を捕まえて家に戻り、母に与えて食べさせてあげました。

ト氏は、この魚を食べ、このように日を重ねて過ごしました。

そうしているうちに延の孝行の心に対して、母の心も変わっていきました。

ト氏が延に対して優しく接する姿は、まるで、自分が生んだ子供のように変わっていきます。

延は両親に対して誠心誠意、孝行を尽くし、夏には枕元で団扇を扇ぎ、冬は自らの体で衣服を暖めてやりました。

冬の厳しい時には自分の衣服を両親に与え、栄養の良い物を食べさせてあげました。

昼間は仕事をして、夜になると本を読み、ついには歴史書などをほとんど読み尽くしてしまいます。

町の役人は延に対して礼を尽くして、町のために働いてくれるようお願いしましたが、両親の面倒を看なければならないと言って、願いを断りました。

そんな両親も亡くなってしまいます。

延は、お墓の近くに小屋を建て、蚕を生産しながら衣服を着て、畑を耕しながら食べ物を作って食べ、暇な時間は一族を訓え導き怠けることがありませんでした。