1991年私は博士論文のテーマとして、エイズウイルスは免疫システムの目をくらませるためにトロイの木馬のようなかたちで侵入しているので、このトロイの木馬を標的にして薬を投与すれば、この不治の病を管理可能なものに変えることができると主張した。

私の論文の検討委員会開催の1週間前に、プロバスケットボールのスター、マジック・ジョンソンがエイズウイルス陽性になった。論文の検討委員会のメンバーからマジック・ジョンソンはエイズで死ぬだろうかという質問を受けた。私の長ったらしい分子生物学的回答の結論としては彼は感染して時間が経っていないのであれば、エイズで死ぬことはなく、多分エイズを発症することはないと簡潔に答えた。そして新薬が彼の免疫システムが破壊されるのを防ぐためにウイルスの活動を抑えることになると説明した。

この説明は当時の学説に全く反するもので、新薬は危険すぎるためエイズが進行し悪化したときに投与されるべきだと考えられていた。私はそれに対し、遅れればマジックの免疫システムは破壊されてしまい、薬に反応できなくなっていると反論した。それから25年経過したが、マジックはエイズを発症しておらず元気に暮らしている。この治療がなければ死んだに違いない何百万人の人も発症していない。

私たちはそれ以上のことを成し遂げている。私たちはウイルスを鎮めるだけでなく、その隠れているところからあぶり出して、根絶する方法を見つけ出した。だから実際に完治できるようになったのだ。

科学は最高の生活環境をもたらしてくれる。科学が真実を語り、答えを見つけ出す。たとえ、真実が闇に包まれたものであっても、光を当てる方法を見つければよい。

なぜ本書を書くのかと問われることがある。私についての話は既に語られたのでは? 私たちの研究はある瞬間称賛されたが、その後私は抹殺された。話はそれでおしまい。

しかし、科学が私とフランクを無視しているからといって、私たちが科学を諦めたわけではない。私たちは何百万人の人の体内で発作的な炎症性疾患(サイトカインストーム)が暴走する症状を研究しており、それに対し医療用カンナビス、スラミン、東洋医学、ダイエット、その他自然食品などをどう使えば炎症を鎮めるかが分かってきている。過去の亡霊には休んでもらい、すべての人に健康がもたらされる最高に明るい将来に向かって進むことができるのだ。

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