【前回の記事を読む】「先生、素晴らしいですね~!」運動療法に反対した看護師たちの手のひら返し
第一章 私の人生
5 当院の診療について
もちろん当院でも開院当初から始めている運動療法は、私の一番の自慢のイベントです。毎週金曜日昼休みに、患者さんと私とスタッフが一緒にクリニックを出発し、うみかぜ公園まで約3キロウォーキングし、ラジオ体操をして帰ってきます。運動前後に血圧・血糖測定を実施しております。運動するとこんなに血糖値が下がる!ということを実感してもらい、日々の行動に繋げてほしいのです。
それだけではなく、同じ糖尿病を抱えた患者さん同士の交流にも繋がっています。
楽しそうにお話をしながら、海をバックにしてのウォーキングは心も身体も気持ち良くなります。
それから、常時管理栄養士がおりますので、いつでも食事のことを相談することができます。一人暮らしで自炊をしている方、外食ばかりの方、夜勤で食事時間が不規則な方、人それぞれ生活環境が違います。まずは患者さんのライフスタイルを伺い、それに合わせて相談を行います。
「僕の身体は筋肉だから重いんだ」
「私は食べてない」
という人が多いのですが、当院にはインボディという体組成を調べる機械があります。調べてみると、筋肉だと思っていたのが実は脂肪だったりします。自分は食べ過ぎていない、運動も十分していると思っていたりする人の気づきになるのです。
筋肉と脂肪の比率を見て、食事だけではなく、足の筋肉が少ない人には、ウォーキングを促したり、腕の筋肉が足りない人には、ダンベルなどの運動をすすめたりしています。食事制限だけではなく、運動を少しプラスすることでインスリン感受性も上がり、血糖値が下がりやすくなるのです。
そして、栄養士の企画で、健康食でのBBQや、料理教室・薬膳料理教室なども実施しております。看護師は糖尿病療養指導士の資格を取得しております。いわゆる糖尿病のスペシャリストです。