「リエ、その人、英語が使えるから好きになったんじゃない?」ユミが質問した。

「うん。多分それもあると思う。私、自分が努力して英語を身に付けようとしているから英語が話せるっていうだけで、もう私の好きな人の範囲に入ってくるんだと思う」

「その上、ハンサムときている」

「身長も一八〇センチもある」私は言った。

「商社に勤めている」

「フム、恋なんて必要ないと言っていたリエが恋に落ちた理由がわかるような気がする」私は納得した。

「それに私とその人、とてもよく会話が弾むの。一緒に話していてとても楽しいのよ」

「でも、十歳も年上なんて、ずい分、年齢が離れているわね」ユミが言った。

「ううーん。全く年の差なんて感じさせない。感性が若々しいの」

「それにリエもしっかりしていて、大人だしね」

「精神年齢的には、ちょうどバランスが取れている感覚があるの」

「そうか。リエもとうとう恋に落ちたのか」

「私とその人、まだ一回しか会ったことがないの。でもお互いに気に入って、メールアドレスの交換もしたのよ」

「まずは友だちになりましょっていうことね」

私は言った。

「でも、その人、本当にフリーなの? 彼女とかはいないの? そんなステキな人だったらもう彼女がいるんじゃないの?」ユミが心配した。

「わからない。いるのかもしれない。誰にでも友交的で親しくなるタイプの人なのかも」

「それも、友だちとして付き合っていくうちに、少しずつわかることよね」私は言った。

「うん。会っていきなり、彼女さんはいるんですかとは、聞けないもの」

「友だちとして付き合っていくうちに、色々と相手の欠点も見つかるかもしれない」ユミは言った。

「そうよね。まずは友だちとして付き合っていって、少しずつ相手のことを見極めることも大切よね」私は言った。

「それに、私、今は受験生だし。まずは、勉強をしっかりやらなくちゃとは思ってる」

「リエは、まさに今、青春、まっただ中にいるね」

「ああ、受験と恋か」

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