二人で、そんな会話をしながら、私は高校時代の頃を思い出していた。私は独身だけれど、これまで付き合った人が、全くいなかったわけではない。私にもそれなりの恋愛物語があったのだ。あれは、今から四十九年前。私は新入生として高校の門を入っていった。道の両側には桜並木があって、優しい薄ピンク色の花びらが、ひらひらと静かに舞い降りていた。私は、これから始まる新しい学生生活に胸をふくらませていた。一学年は全部で…
[連載]私たちの春
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小説『私たちの春』【第13回】小林 とし子
独身だけれど、私にもそれなりの恋愛物語があった。そう、あれは、今から四十九年前…
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小説『私たちの春』【第12回】小林 とし子
この絵画教室の雰囲気が、とても気に入って、その日のうちに入会を決めた
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小説『私たちの春』【第11回】小林 とし子
就職、結婚、大学進学と三者三様の春。それぞれの未来に乾杯!
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小説『私たちの春』【第10回】小林 とし子
自分の好きなことをしながら、生計を立てていきたい!大学入学はその夢を叶える第一歩
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小説『私たちの春』【第9回】小林 とし子
ニューヨークに転勤する彼氏にプロポーズされたと悩む友人…。
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小説『私たちの春』【第8回】小林 とし子
昼休みの女子学生三人。将来の夢と恋の話が止まらない、大切な時間。
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小説『私たちの春』【第7回】小林 とし子
恋をした友人の話、それはまるで未知との出会い
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小説『私たちの春』【第6回】小林 とし子
友人からの相談に驚愕「実はね、私、恋をしちゃったみたいなの」
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小説『私たちの春』【第5回】小林 とし子
娘の将来を心配する父に…「大丈夫よ。私、男の人には全く興味がないから」
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小説『私たちの春』【第4回】小林 とし子
少女たちが語る「日本に暮らせている、それだけで充分幸せ」のワケ
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小説『私たちの春』【第3回】小林 とし子
食卓での一幕。しっかり者の少女、父と母の馴れ初めを聞いて…
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小説『私たちの春』【第2回】小林 とし子
「恋愛とかもしてみたいな」「私はイヤよ」女子高生らしからぬ大人な恋話風景
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小説『私たちの春』【新連載】小林 とし子
「私たちしっかりしているよね」今時珍しい“真剣に将来を考える女子高生”の会話