私たちの春

私の名前は、山川京子。この春から高校の三年生になった。私の高校は、私立の女子校で、普通科だけれど、三コースに学科が分かれている。文系コース、理系コース、英語コースの三コースだ。英語コースとは、英語の科目数の多い、英語を中心に勉強を進めていくコースだ。私は、そのうちの理系コースに在籍していて、化学と数学を中心に勉強している。

私の家庭は、三人家族で、私は両親と共に暮らしている。私の両親は高校時代からの友人同士で、長い友人時代を経たのち、恋人となり、二人が三十歳になった年に結婚をした。

父は大手食品メーカーに勤務し、母は料理教室で料理の先生として働いている。

母は子どもの時から料理が好きで、料理の他、パンやケーキなども作って楽しんでいる。その影響で、私も子どもの頃から料理に慣れ親しんでいる。

私は朝の六時に起床して、顔を洗って、トーストとコーヒーの軽い食事をしたあと、家族三人分のお弁当を作る。調理時間は三十分間。手際よく作業を進める。キッチンの片づけが終わると、私は歯磨きをして、学校の制服に着替え、七時半に家を出る。

家を出て、徒歩二十分で学校の門に到着する。学校は十年前に建て替えられていて、白い壁が美しい三階建の校舎だ。建て替え当時は学校の近所にある、昔、公立の中学校であった古い建物に一年間、間借りして、新校舎に建て替えたらしい。清潔な食堂も完備された気持ちの良い校舎だ。

私のクラスルームは、その校舎の三階の一室で、月曜日の一限目は、クラスメイト全員が集まって、英語の文法の授業が行われる。

「京子、おはよう」

「ああ、おはよう」

親友のリエとユミは、もう既に着席していた。

「宿題やってきた?」

「ええ、もちろんよ」

「少し難しかったね」

「うん。解答するのに時間、かかっちゃった」

「でも、仮定法は、大学入試でもよく出題されるところだから、しっかり勉強しなくちゃね」

「リエは英語コースだから、ここらへんの勉強は、よくやっているんでしょ?」

「うん。もうばっちりよ」

私たちが、そんな会話を交していると先生が教室に入ってこられた。

「皆さん、おはようございます。全員、出席していますね。それでは今日の授業を始めていきます。まず宿題の答合わせからしていきましょう。一問目から解説しながら進めていきます」

授業は、とてもまじめに行われた。

二限目は各コースに分かれて、それぞれの教室でそれぞれ別々に授業が行われる。私は理系コース、リエは英語コース、ユミは文系コースに在籍している。

「授業が終わって、お昼になったら、またこの教室に集まって、一緒にお弁当食べましょう」

「うん。オーケー。それじゃまたね」

私たちは、それぞれの教室へと向かった。