顓頊暦による手計算
134年10月から-133年に至る月朔の干支指数の、顓頊暦による手計算の実際を以下に記す。古代人の手計算に近いものを体験しておこう。
まず顓頊暦の基本定数を確認しておくと、述べた通り、
1太陽年=365+1/4日=365.251
平均朔望月=29+499/940日=29.530851……
これらは四分暦一般に共通の定数である。
従って顓頊暦では1 年経つごとに正月節の(寅の初刻の)干支指数は5.25だけ進む(365.25=360+5.25)。
また同じ時刻の月齢も、1 年経つごとに
365+1/4-12×(29+499/940)=10+827/940日=10.8797872340……
だけ進む。顓頊暦では-365年の正月節(立春)の寅の刻が朔であり干支指数が50甲寅であるというのであるから、
西暦a年の正月節の寅の初刻の干支指数は(60を法とするので)、
R(a)=50+5.25×(a+365)=5.25a+46.25
またこの正月節の寅の初刻の月齢は、
G(a)=(10+827/940)×(a+365)±(29+499/940)×r
(整数rは平均朔望月を加減して全体を平均朔望月より小さい正数に収めるための整数であり様々な数値を取る。以下同じである)
G(a)=(10+827/940)×a+13+929/940±(29+499/940)×r
よって、西暦a年の正月節直前の朔の干支指数Ⅰ(a)は、
Ⅰ(a)=R(a)-G(a)で与えられる。
この朔は中気と比較することで、12月朔になったり、正月朔になったり、後代の置閏法に従えば閏12月朔になったりする可能性がある。最後の場合は、顓頊暦ではそれでも正月朔として、最後に後9月を置くことになる。
さて、a=-133の時、
R(-133)=8
G(-133)=13+929/940
故に紀元前134年の正月節直前の朔は、
I(-133)=R(-133)-G(-133)=54+11/940
-134年10月節から-133年にかけての24節気の干支指数は、この-133年正月節の干支指数8 を基準に365.25÷24=15+7/32を加減して次々に求めることができる。
必要なのは中気の干支指数である。正月中の干支指数は8+15+7/32=23+7/32これに365.25÷12=30+14/32を加減して中気の干支指数を求める。
朔の干支指数はこれも正月節の直前朔である54+11/940に平均朔望月である29+499/940を加減して求める。結果は次の通り。