「呪いよ」
「誰だ……あんた?」
「私は異界から放たれた闇の刺客。光の一族の末裔を抹殺するために、この世に来た血滅師の末裔よ。あなたの命も後僅か……せいぜい残された時間を楽しむがいいわ……ふっふっ。分かる?」
分からない、と英良は答える。
「とある方がこの世界を闇の力で覆うため、あなた方……光の子達の存在が邪魔になったのよ!」
とある方、英良が呟く。
「ふっ、ふっ。今に分かることよ……!」
英良はその女の顔を凝視した。
「あなたの曾祖父は手強かったわ! でも、あなたはどうかしら?」
英良は舌打ちをした。
「これからは楽しみになるわ。あなたにはもっと私の他にも刺客が放たれることになりそうね。待っていなさい」
女のシルエットは暗かった。英良には黒い煙か靄に包まれているように見え漆黒の闇に飲み込まれていった。英良は女が立ち去った場所に佇んでいた。足が重く動けない。