小説 『差出人は知れず』 【第8回】 黒瀬 裕貴 免許返納を拒んだ老人がブレーキを踏み間違え、車は妻に突っ込んでいった…事故後、夫は「加害者家族を妻と同じ目に遭わせたい」 【前回記事を読む】「母さん。死んじゃ駄目だ。俺、まだなんにも親孝行出来てないんだよ。」中学生の男の子は嗚咽しながらも話しかけることをやめない「俺たちが何をしたっていうんだろうな」亡霊のように佇む東は両の拳を強く握る。爪が皮膚を食い破り、血が滴るのではないかと思うほど強く。「こんな……こんな目に遭わなければならないことを涼子がしたっていうのか。生きていれば無意識に人を傷つけることだってあるだろう。…
小説 『東京フェイクLove♡[2025年話題作ピックアップ]』 【第24回】 川田 レイ 偽名を使って、私をNG客にしたセラピストを再指名した。マンションの1室、顔バレしないように入室。すると、意外な反応が… 【前回の記事を読む】「まだ好意は残ってるはず」…とある“迷惑行為”が原因でNG客にされても、会いたくてたまらない。会う方法は、まだある…いよいよ予約日の土曜日が来た。真由子は渋谷駅を降りて僅か数分で着くパラダイスアロマの部屋が入ったマンションに到着した。約束の12時ちょうど、マンションのチャイムを恐る恐る鳴らす。中から反応はなかった。2度目のチャイムにも応答なし、もしかして何かでNG客の私だとバ…