もう一つ社会の教科書で思い出すのはイスタンブールの地下宮殿だ。イスタンブールで昔の水道施設に入った時、教科書で見た場所だと思い出した。こんな風に忘れていた行ってみたい場所に出会うこともある。

そういえば私が初めて海外旅行に行った先も教科書に関係がある。モネの絵だ。勤め始めた次の年、ツアーでパリに行った。モネの睡蓮の絵が360度に広がるオランジュリー美術館に行きたかったからだ。

その後も姉一家の赴任先のアメリカ、息子の留学先のヨーロッパを中心に年に数回、あるいは何年かに1回の時もあったが不定期に海外へは旅行していた。現地に知り合いがいたのでツアーではなく、個人で出かけることも少なくなかった。

今考えると私はものすごく幸福な学生生活を送っていたのだと思う。こんなに一生好きなものに出会わせてくれたのが教科書だとすれば、それをさらにたくさんの人との出会いで彩ってくれるのが旅だ。旅は私に知らない世界と暮らしと楽しさを与えてくれる。困難を乗り越える力と勇気を与えてくれる。危険の先にある喜びを教えてくれる。

旅に出て、知らない世界がたくさんあることを知ろう。知らない世界を知る喜びを知ろう。人の限りない温かさと善意に触れよう。人生を素晴らしいものとして楽しもう。

そのきっかけとして私の思い出深い旅日記が役立てばこんなにうれしいことはない。