ルールその3 行動に移すこと
これは、そのままである。この世には素晴らしい自己啓発本が数多くあるようだけど、それを読み納得はしても、変人ポー曰く、「実行しない人が大半」だと言う。これはボクも、変人ポーの意見にはじめから共感を覚えていたことだが何ごとも実行しなければ、正直意味がない。変人ポーが何度も何度も、何度も強調していたことの一つにこんな言葉がある。
「知識はあくまで知識だ。知識は行動を伴うことにより知恵となる。そして、この知恵は答そのものだ」
事実、知識は今日、街のいたるところ、スマホからだっていくらでも収集できる。しかし、知恵は行動を伴うことにより初めて得られる財産。大事なのは得た知識とともに行動することだ、と変人ポーは言うのである。チェックアウトの時刻が迫っている。ボクは今回の合宿でスマホにメモしておいた内容を振り返りながら、細かい質問をし始めた。
厳密に言うと時間が足りなかったのでこのあとプーケットまで戻るまでの間も、ボクは今回の教えを総ざらいに変人ポーと復習した。
帰りの1シーンのことはいまでも鮮明に覚えている。それは、自分が変人ポーの哲学でもある人間力を本気で学ぶ宣言を自ら心の中で、改めてしたのであった。それまでは、具体的にはこの久々の合宿に行くまでは、例え弟子入りしたとしてもやっぱり半信半疑だった。
なぜなら、変人ポーはやはり人とはちょっと違うからだ。TPO構わずに年中甚平のその格好だけ見ると、いくら多国籍でオープンなプーケットと言えどもまともではない。正直、「大丈夫なのかな?」という思いがあった。しかしながらそれが、確信へと変わったときでもあった。
初心忘るべからず、と言う。ボクがいまでもこの初心を忘れないのは、その決意の瞬間が鮮明に残っているからかもしれなかった。その1シーンとは、変人ポーが運転するバイクの後ろから見るその背中がやけに大きく見えた光景であり、そしてそれはいまでも目に焼き付いているのであった。