【前回の記事を読む】便秘がひどくて1日中トイレに…見直すべき排便習慣とは?

CHAPTER1 胃腸を制すものが健康を制す

胃腸が悲鳴を上げる5大原因は「ピロリ菌」「暴飲暴食」「自律神経のバランスの乱れ」「加齢」「ストレス」

ストレスが続いていると、交感神経が優位になっている時間が長く続き、副交感神経が優位に切り替わると急激に腸の蠕動運動が始まったりします。胃腸の蠕動がうまく伝わらずバラバラに腸が動いてしまいます。すると体内に水分や栄養分がうまく吸収されず、腸を通過してしまって下痢を引き起こします。

消化吸収がうまくできず、痛みなどの症状も出てきます。外出時など、すぐにトイレに行ける環境ではないことがさらにストレスを生んでしまって、また下痢になるという負のスパイラルに陥ることもあります。

ストレスが原因のこのような下痢では、薬などの治療がうまくいって症状が緩和すると「下痢は治るんだ」と実感できます。徐々に症状も治っていくこともあり、心の状態とも密接に関係しています。

また、ストレスにさらされることでスムーズな蠕動運動ができない場合もあります。この場合は、便がうまく肛門のほうへ運ばれず、コロコロとした硬い便になることがあります。まったく排便がないわけではないけれど、いつも残便感があり、その不快感に悩まされてしまいます。

長時間労働、プレッシャー、不安や羞恥心などいろいろな場面で排便を我慢すること自体がストレスになっていることもあるでしょう。排便を繰り返し我慢すると便秘になりやすい体質になってしまうので注意が必要です。

原因6:そのほか

①憩室ができる

➡腹痛大腸の粘膜にくぼみができるのが憩室です。憩室があると、お通じの前に痛くなる、おなかが張る、左下腹部や右下腹部が痛いといった症状があります。これは大腸に憩室ができていてガスがたまっているのかもしれません。おなかに膨満感が出ることもあります。

②細菌やウイルスなどの感染

➡下痢細菌やウイルスなどが体に入ってくると、体は免疫機能が働いて「これは体に悪いものだ」と判断していち早く体の外に出そうとします。そのとき、腸の分泌液が過剰に出るために下痢が起こりやすくなります。症状としては下痢だけではなく、激しい腹痛、嘔吐、悪寒なども伴う場合があります。

比較的頻度の高いものでは、肉や魚介類に付着している細菌によるものやノロウイルスなどウイルスによるものがあります。稀なものでは毒キノコなどの毒によるもの、洗剤の誤飲などが急性の下痢になります。

③食事の量や水分不足

➡便秘過度なダイエットによって食事量が極端に少ないことも便秘の原因になります。食べる量が少ないと、便の(かさ)になるものや、蠕動運動に影響する食物繊維、水分量が少なくなり、便の量も減り硬くなって排便の回数が減ります。また硬い便だと、いきんでもなかなか出ないことがあります。