【前回の記事を読む】「バラ好きにはたまらない公園」麗しい香りに包まれて昔をしのぶ

日本編 夏

虫退治ミヤマキリシマそっちのけ

千七百メートル級の山が幾重にも重なり合う、九重連峰。主峰の九重山目差して長者(ちょうじゃ)(ばる)から登山開始。牧ノ戸峠を通りミヤマキリシマ満開の九重山山頂に。そして法華院温泉で泊まりました。

山の上なのに本物の温泉に入浴でき感激。

次の日、大船山へ行く私に宿の人が手渡したのはビニール袋と割りばし。え~。これで何を? ミヤマキリシマにつく虫を捕らえてビニール袋に入れるという虫退治。

花より虫捕りに夢中になった山旅でした。

大分県竹田市久住町 九重山

2001.6.9-6.10

ベル鳴らし微笑みかけるスズランは

標高千九百九十五メートルの入笠山。山麓駅から標高差七百三十メートルの山頂駅までわずか十分でゴンドラが運んでくれます。

山頂駅から木道を歩き、入笠湿原を目指します。湿原の斜面を埋め尽くす日本スズランは百万本、まるで空まで届く天使の階段のようでした。行儀よく並び、小さなベルを一斉に鳴らし愛らしい姿で登山者を出迎えます。

我家のスズランもベルを鳴らして私の帰りを待っているのかも?

長野県富士見町 入笠山

2009.6.14

コニファーに十二ヶ月の精宿る

北海道ガーデン街道の一つ“真鍋庭園”は、二万五千坪もの広さの庭を回遊しながら楽しむことができる「植物のモデルルーム」と呼ばれている庭園です。

ロシア文学の『森は生きている』に出てくる健気な娘と十二ヶ月の季節の精達がコニファーの間から現れて、木々が生い茂る美しい森に誘いざなわれます。

おとぎの国に迷い込んだような小道を行くと現れたのは人工の滝。森林浴の最後には滝でマイナスイオンをたっぷり浴び、お肌ツルツルになること、間違いなし。

北海道帯広市 “真鍋庭園”

2015.6.14