日本編 春

菜の花は開聞岳の懐に

指宿から長崎鼻に向かう途中にある“フラワーパークかごしま”は一年を通して花を楽しめる日本最大級の花のテーマパークです。

開聞岳を背に、又錦江湾を背に、公園内のどこにでも花が咲いているロケーションにのんびり散歩しましょうかと思ったのですが、あまりに広い敷地なので、園内周遊バスに乗って優雅に花見。関東ではあまり見られない南国の花が多いのもいいですね。

鹿児島県指宿市 “フラワーパークかごしま” 2003.2.21

そこまでとロウ梅の香に(いざな)われ

ロウ細工(ロウ梅の名前の由来)のように美しい透きとおるような黄色い花のロウ梅は英語で“ウインタースウィート”と呼ばれるほどのむせかえるような甘い香りを漂わせていました。一足早く春が訪れる標高四百九十七メートルの()登山(とさん)山頂にある“ロウバイ園”には約八百株、三千本ものロウ梅が植えられており、香りとともに眺望もすばらしいものでした。

“小動物公園”もあり、ニホンザルやホンシュウジカとも触れあえるので、親、子、孫、ひ孫、皆で訪れても楽しめますね。

埼玉県長瀞町 宝登山  1999.2.26

しだれ梅仲良くしてねと肩なでる

“結城神社”はその昔は、航海の安全を祈願する明神でした。大きな狛犬が迎えてくれる一万坪の神苑には、しだれ梅は三百本、たち梅八十本が植えられ、まさに『桜の園』ならぬ梅の園。一月下旬から三月中旬まで長い期間楽しむ事ができます。

梅の木には白やピンクの花がびっしり咲いていて、歩いていると通路の両側からおおい被さってくるのです。梅のやさしい香りに誘いざなわれて歩を進めていると、あっという間に神苑の出口でした。

三重県津市 “結城神社” 2004.2.27