私の読書遍歴

いずれにしても、人それぞれ本の読み方があろうと思うが、兎も角多くの本を読んでいくうちに、自分に合った方法を見つけ出すのが一番良いのではないだろうか。乱読でもいい、勿論、精読でもいい、あるいは極端な話、積ん読でさえ、実際積み重ねて手元に置いておけば、いつかは読む機会がおとずれるかも知れないからである。

それから本は、人に借りてばかりでなく、自らお金を出して買うことが大切である。自分で買って、手元に置くことに意義がある。勿論、買ったらそれを読むこと言を俟たない。つまり、後日、本のある部分を調べたい時、あるいは読んでみたい時など、手元にあることが大変重宝なのである。

私も自分では時間をみて、随分読んできた積もりだが、四十年近くのサラリーマン生活では、自ずと時間的制約があったのは、無理からぬことである。

その点、昔、休みのよくある学校の教員が大変羨ましかったものである。

春、夏、冬の学期末休暇が凡て自分の自由時間になるとは思わないが、休みのある事実に嫉妬したのである。実際、その道に入ってみなければ、真実は解らないのだが、(はた)から見る限り年間の休みの多さに羨望したのである。