【前回の記事を読む】【闘病記コンテスト大賞作】夫がALSに…自宅療養に踏み切るため、前途多難の家探し!?
筋萎縮性側索硬化症患者の介護記録――踏み切った在宅介護
(二)さあ、療養室作りへ
家も見つかったので、いよいよ療養室作りということになりました。
しかし、何をどのようにしたらよいのか、機器類もどういうものが必要で、夫の場合どのようなものを用意することになるのか、皆目わかりません。全く困ってしまいました。一難去ってまた一難です。
そこで日本ALS協会広島県支部にご挨拶にお伺いした折、いろいろとお話を伺い、あれこれ細かい事を教えていただきました。そして、今ご主人様が闘病中の猫田様のお力をお借りできたらということになりました。
この方は、同じ福山市在住の方です。猫田様のご主人様は、今現在十年以上ALS患者として闘病中の身で、しかも奥様がひとりで介護をしておられるということでした。
人によっては、こうしたことを公表したくない。ましてや他人様に家の中に入り込まれるのは迷惑だと嫌う方も多くおられるので、無理のないように、少しでも同病患者の介護の先輩として教えていただけることがあったらお聞きしたいと連絡をとらせていただきました。すると奥様は、二つ返事でご快諾くださいました。
不治の病の宣告、病院のたらい回しなどなど不快指数が頂点に達していたところなので、私たち家族にとっては本当に救われた思いがいたしました。部屋の構造、ベッドの位置、それに伴う付属物品の置き場所などの関係もあるので、厚かましくも娘、婿、私の三人で猫田様のお宅にお邪魔させていただきました。