小説 小説 社会問題 2023.03.26 【小説】『円い町』は「健常者と精神障がい者との区別が全くない」 近づく果実 【第1回】 鈴木 寂静 健常者も障がい者も一人残らず、誰もが共生できる自由で幸福な町とは――。 この記事の連載一覧 次回の記事へ 最新 健常者も障がい者も一人残らず、誰もが共生できる自由で幸福な町の物語。営業の仕事がうまくいかず精神科の門を叩いた晴美。ある日父から、精神障がい者を「善常者」と呼び、健常者と区別なく暮らしている「円い町」へ行くことを勧められる。だが、町に住むためには4つの条件をクリアする必要があった......。※本記事は、鈴木寂静氏の小説『近づく果実 ~円い町と青い町~』(幻冬舎ルネッサンス)より、一部抜粋・編集したものです。 生の素顔 郷山が 深緑の生き生きした姿を 曝け出す 更に抱き込むように 四国山脈が聳え立つ その山肌には 灰白色の雪が彫刻刀で切り裂いたように 鋭く張り付く 嗚呼 何という生の素顔だ
小説 『火点し時』 【新連載】 順菜 月に3回、同僚とホテルへ行く習慣ができた。職場の飲み会の帰りにそういう流れになって、恋人はいたけど止められなかった。 優人は仕事帰り、いつものように彼女のアパートに寄った。今夜も静子の帰りは遅い。優人はコンビニで買ってきた缶ビールとそば、するめをつまみながらしばらくテレビを観ると、風呂を済ませてからベッドに入った。十一時過ぎ、家主が帰ってきた。「お帰り」「来てたの……」静子は疲れているようだった。「風呂、追い焚きすればすぐだと思うよ。そんな冷めてないから」「うん、じゃあ入る」静子は言葉少なに風呂へ消えた。飲食店…
小説 『鮎川のほとり』 【第4回】 弥富 泰男 気になる同僚女性と二人きりになるために…男は“2枚だけ”クラシックコンサートのチケットを用意したが…… 【前回記事を読む】毎週のように訪ねてくる、父の教え子2人…母のお気に入りになり、「どちらかに、娘をもらって欲しい」*翌週から、総務課は忙しくなってきた。課長が課員を集めた。「社長からの提案で、当社もSDGsを導入する方針だ。富永君、SDGsの背景を少し調べてくれ」「承知しました。情報集めをします」「中間報告でいいから、三日以内にやってくれ」富永は、急に忙しくなってきた。国際会議室改装の件、オンラ…