小説 小説 社会問題 2023.03.26 【小説】『円い町』は「健常者と精神障がい者との区別が全くない」 近づく果実 【第1回】 鈴木 寂静 健常者も障がい者も一人残らず、誰もが共生できる自由で幸福な町とは――。 この記事の連載一覧 次回の記事へ 最新 健常者も障がい者も一人残らず、誰もが共生できる自由で幸福な町の物語。営業の仕事がうまくいかず精神科の門を叩いた晴美。ある日父から、精神障がい者を「善常者」と呼び、健常者と区別なく暮らしている「円い町」へ行くことを勧められる。だが、町に住むためには4つの条件をクリアする必要があった......。※本記事は、鈴木寂静氏の小説『近づく果実 ~円い町と青い町~』(幻冬舎ルネッサンス)より、一部抜粋・編集したものです。 生の素顔 郷山が 深緑の生き生きした姿を 曝け出す 更に抱き込むように 四国山脈が聳え立つ その山肌には 灰白色の雪が彫刻刀で切り裂いたように 鋭く張り付く 嗚呼 何という生の素顔だ
エッセイ 『プレナイト[人気連載ピックアップ]』 【第7回】 天乃 神龕 「おとーさん!!」救急室からストレッチャーで運び出される夫に叫ぶ息子たち。変わり果てた父親を目の前にして… 【前回記事を読む】集中治療室には、変わり果てた夫の姿があった。声をかける私に、肩を揺らして笑ってみせた夫。その笑顔に胸が張り裂けそうになり…運命の真実しばらくして、救急室からストレッチャーで搬送される夫でもあり父である彼。大きな体がストレッチャーから落ちそうになるなか、息子たちが、「おとーさん!!!」と叫んだ。今思うと、子どもたちは、私以上に心をえぐられたかもしれない。変わり果てたお父さんを目の…
小説 『夢を叶えた、バツイチ香子と最強の恋男』 【第19回】 武 きき 妻と二人きりの休日のはずが、今日は部下が遊びに来ていた。「いつもなら妻の太もも枕でいい気持ちになっている時間なのに…」 【前回の記事を読む】「大変!大変!赤ちゃんが産まれたの。早く来て!」朝起きると、そこには白色と茶色の赤ちゃん子犬が…!丈哉さんの会社。「専務、いいですか」と声をかけてきた部下の杉田。「どうした?」「奥様にピザとパスタを教えてほしいと伝えてください。第四土曜日はどうですか、と聞いてください」「どうしてだ?」「先日、会社案内した時、お料理だったらいつでもお教えしますよ、とおっしゃっていました。この間…