小説 小説 社会問題 2023.03.26 【小説】『円い町』は「健常者と精神障がい者との区別が全くない」 近づく果実 【第1回】 鈴木 寂静 健常者も障がい者も一人残らず、誰もが共生できる自由で幸福な町とは――。 この記事の連載一覧 次回の記事へ 最新 健常者も障がい者も一人残らず、誰もが共生できる自由で幸福な町の物語。営業の仕事がうまくいかず精神科の門を叩いた晴美。ある日父から、精神障がい者を「善常者」と呼び、健常者と区別なく暮らしている「円い町」へ行くことを勧められる。だが、町に住むためには4つの条件をクリアする必要があった......。※本記事は、鈴木寂静氏の小説『近づく果実 ~円い町と青い町~』(幻冬舎ルネッサンス)より、一部抜粋・編集したものです。 生の素顔 郷山が 深緑の生き生きした姿を 曝け出す 更に抱き込むように 四国山脈が聳え立つ その山肌には 灰白色の雪が彫刻刀で切り裂いたように 鋭く張り付く 嗚呼 何という生の素顔だ
エッセイ 『心に咲いた向日葵』 【第10回】 丸山 珠輝 「大声を張り上げたって誰も来ない」両手を捕まれ、無理やり触らせられ…。ことが終わると、涙を流しながら夢中で手を洗い続けた 【前回の記事を読む】「覚えるともうかるぞ」私はマッサージの"スペシャル"の意味をようやく理解した。そう言って横になっていた男は上向きになり…「スペシャルなんか教えていただかなくて結構です。そんなことまでして稼ぎたくありません」「おめえ、ようく考えろよ。めくらってのは、人に迷惑かけることが多いんだろう、そんな時に札びらちらつかせてみろ、少しはおめえらに手を貸してくれる者も出てくるってものよ。世の中…
小説 『幸せを呼ぶシンデレラおばさんと王子様[「バツ恋」人気御礼!武きき作品ピックアップ]』 【第15回】 武 きき 「私、シンデレラ?」孫たちの前で着るウエディングドレスを選んだ。不倫夫と別れて1年。素敵な男性と小さな結婚式を挙げる。 【前回記事を読む】「私は、幸せで涙が止まらなかった」不倫され離婚した母の再婚相手はお金持ちの社長だった。翌月の吉日に近藤さんに証人になって頂き、婚姻届を区役所に出した。「今日から、今井ゆりだね。僕が守って行く。幸せになろうね」「今井ゆりです。よろしくお願いいたします」「健のところで結婚指輪を注文している。僕が選んだ。気に入るといいな」ジュエリーコーナーへ。「今井さん、いらっしゃいませ。おめでとう…