晴美は帰宅して夕食をとっていた。晴美のうきうきとした嬉しそうな表情を前に母親の顔にもにこやかな笑みがこぼれた。「晴ちゃん、随分嬉しそうだね。いいことあったの? そう言えば今日はデイケアに行ったわねぇ」父親、兄、姉たちがその言葉に一斉に目を晴美に向けた。六つの目たちも笑っていた。「うん、デイケアでどうも友達ができそうなのよ」今日のソフトボール大会のことを事細かく話した。「それはよくやった。晴美は積…
[連載]近づく果実
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小説『近づく果実 』【第18回】鈴木 寂静
なんだか嬉しそうにご飯を食べる父親。家族の明暗は娘たった一人にかかっている?
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小説『近づく果実 』【第17回】鈴木 寂静
何くそ、勝負の世界なんてたかが迫力の違いだ!責任の重さに打ち倒されそうになりながらも、負けず嫌いの根性が…
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小説『近づく果実 』【第16回】鈴木 寂静
「ありがとうございます。薄化粧さん」うっかり、自分の中で勝手につけていたニックネームで呼んでしまった…
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小説『近づく果実 』【第15回】鈴木 寂静
デイケアで初めての交流。「趣味はない」という人が多いなか、晴美は立ち上がり…
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小説『近づく果実 』【第14回】鈴木 寂静
えっ、自己紹介だって――。私、できない。胸の動悸が激しく波打ち、顔が紅潮してきた
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小説『近づく果実 』【第13回】鈴木 寂静
「あ」を書くのがこんなに難しいなんて。額には脂汗が滲み、その汗が半紙にポタリポタリと落ち…
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小説『近づく果実 』【第12回】鈴木 寂静
嬉し恥ずかし緊張の書道塾。シャボン玉がすうーっと空に溶けたように気分は晴れやかに
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小説『近づく果実 』【第11回】鈴木 寂静
人生の岐路に立つ晴美。「四つの条件」クリアに向け人の輪の中へ
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小説『近づく果実 』【第10回】鈴木 寂静
移住先の「四つの条件」を晴美は満たしていなかった…。移住のため、努力することを決意
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小説『近づく果実 』【第9回】鈴木 寂静
「そんなこと、親から聞いてない…」『円い町』へ移住に必要な四つの条件とは?
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小説『近づく果実 』【第8回】鈴木 寂静
四国にあるという精神障がい者を「善常者」と呼ぶ町。行ってみないかという提案に晴美は…。
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小説『近づく果実 』【第7回】鈴木 寂静
自分が障がい者になって初めて、いかに上から見下していたか知る
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小説『近づく果実 』【第6回】鈴木 寂静
「給料の三倍は広告を取ってくれ」壊れたレコードのように繰り返す上司の言葉
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小説『近づく果実 』【第5回】鈴木 寂静
「広告を取ることは人間的な魅力が必要なんだよ。」営業先の店長がライトグリーンのスーツ姿を気に入ってくれて
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小説『近づく果実 』【第3回】鈴木 寂静
ピンクのスーツに身をつつみ飛び込み営業!? 若手女性社員の奮闘!
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小説『近づく果実 』【第3回】鈴木 寂静
本来の明るさを取り戻して「よし――。こちらが広告を頂くのだ」
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小説『近づく果実 』【第2回】鈴木 寂静
「やりたい職業に就けた」…負の気持ちを空高く舞い上げるほどの期待感
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小説『近づく果実 』【新連載】鈴木 寂静
【小説】『円い町』は「健常者と精神障がい者との区別が全くない」