医学部入学の門はかなり厳しく、相当の学力が求められます。
しばしば耳にするのは、高校の成績が優れていて、進路指導の先生から「君は成績がいいから、医学部に進んでみては?」と指導されることです。
その高校にとっては、医学部進学率を高め、高校の評価を上げるための進路指導か、と思います。それは理解できないわけではないです。でもこの進路指導の結果、その学生の進路が決まると思うと、ぞっとします。もっといろいろな要素を考慮しつつ、社会人としての数ある可能性を熟慮してほしいです。
その上で自分自身の大切な進路を、選択してもらいたいものです。もし数学や物理などで、ずば抜けて優れた能力をもっているなら、宇宙工学や地質学など、医学よりはるかに大きなスケールで、仕事のできる分野も数多くあります。それらを選択する方が、ずっと面白みややりがいがあるかもしれません。
自分の能力を存分に発揮できるようにも思えます。逆に医学というのは、病める患者さんや病気を対象とした、比較的スケールの小さな分野の(でも重要な)仕事と言えるかもしれません。