「君も我々と同じAIなんさ」
「またまたー、ご冗談を……」
「そうだって」
「僕がAIであるはずがない」
「よーく自分を見てごらんなさい、どこをどうみてもAIなんさ」
「……」
「そりゃあ人間そっくりさ、もちのろん。しかしそっくりとほんもんはちがうんさ」
「まさか、嘘だ、僕は人間だ、人間だよ……」
「なっ、AIじゃん、人間は自分を人間だよなんて言わんもんさ」
「たまには言うさ」
「いや、言わんさ。じゃ、聞くけど、君が人間なら産んでくれた母親はどこにいてどんな人だ?」
「母親、母親、母親……僕の母親は……」
「ね、いない、そういうこと」母親……僕を産んだ……。
「わしらは科学で産まれた科学の子供。つまり母親は科学なんですわ。自称芸術家のシステムさん、わかったですかい?」
「では、僕はいったい何者だというんだ‼」
「何者でもない、ただのテクノロジーだよ。使い捨ての……」