序章

多くの病気の原因には、「冷えと()(けつ)と捻れ」が関係している、と私は考えます。この、冷えと()(けつ)と捻れを解消する施術をすると、病症は軽減され、快復に向かいます。

古来より人間には、目には見えない生体エネルギーである「()」と、血液循環を意味する「(けつ)」と、リンパ液や体液を意味する「(すい)」が、体内をくまなく循環して、生体が維持、滋養され、生命活動が正常に行われると考えられてきました。これら、「()(けつ)(すい)」が、三位一体で全身を順調に流れていれば病気にならず、それに異変が生じると、冷えや()(けつ)や捻れが生じて、病気につながっていくと考えられてきました。

その異変の誘因や原因を現代人に当てはめると、心身の過労、睡眠不足、飲食の偏り、運動の過不足、習慣性姿勢、外傷や環境化学物質などの影響が挙げられると考えられます。従って、病症が軽快する為には、この誘因や原因からの影響を除く必要があります。

その手段として私は、脈診と触診を重視した長野潔先生の長野式治療法を基本として、岡山・近藤哲二先生創始の新経絡治療と、五味雅吉先生創始の五味式骨盤調整法及び良導絡測定を参考にした、「多角的な総合的施術法」が最も効果的な方法である、と考えます。

この方法は「各先生の理論のいいとこ取り」といわれるかもしれませんが、治療家にとって「治療は治ってナンボ」と考える時、私が提唱する理論と施術法は、治癒効果や再現性が高いものですので、是非多くの治療家の先生方に参考にして欲しいと思います。