タケル──天国と地獄
タケルは天国と地獄についての説明を始めた。
「諸体が細かい精妙な質量でできあがっていると、エーテル界(3次元)でもアストラル界(4次元)でも比重としては軽くなり、上方に浮くような感じで、その比重に応じて住む世界が大体決まってくるんだよ。
これが天国、あるいは、極楽浄土と呼ばれている世界なんだ。諸体が細かく精妙な質量で出来ている人達によって構成されている世界だから、お互いが労りながら、譲り合いながら生活しているところだ」
「死後の世界では、自分と同じ比重の人達でその世界は構成されることになるから、同レベルの人と一緒に居ることになるのね」
「その通り。理解が早いね。逆に、粗くて重い質量で構成されている諸体を持っていると、比重的には重くなり、下の方の世界に住むことになるんだ。そこは、争って奪い合う世界なんだ」
「それが地獄と呼ばれているところね」
「おうおう、先を越されちゃったよ」
「だって、凄く関心のあるところだもの」
清美の顔がほころんだ。タケルとの心霊談義を楽しんでいる様子だ。