翌日の日曜日の午後、世古と直と俺の三人で重美の見舞いに行った。元気そうだ。
「大丈夫か? 重美」俺が言った。
「心配かけたな。痛みも引いて大分楽になったよ」
「原因は?」と直が聞く。
「まだ、わからんそうだ。精密検査をするため、二、三日入院だ」
「まだ、わからん? おかしないか? 単なる腹痛じゃねえのか?」世古が冗談めかして言った。
「仮病か?」と直が続いた。
「同窓会でどうしても会いたくないやつがおったらしい」と直。
重美を笑わせると腹が痛むらしいがお構いなしだ。
皆、今日の重美の状態を見て安心した。
「そうだ。ナオミ、キミとミッコにお礼言っといてよ。ずっと俺のかみさん来るまで看病してくれてたんで。キミはもう東京へ帰ったんだろ?」
「そうか。……でも自分で言えよ」と俺が言った。
ちょうど、その三人がそろって見舞いに来たのが目に入った。キミがこれから東京へ帰る前に、見舞いに寄ってくれたようだ。
「大丈夫? 重美くん」とナオミが言った。
「どうも仮病らしい」直だ。
「六回生の同窓会にはどうも行きたくなかったらしいぞ。会いたくないやつがおるみたいだな、こいつ」と世古と直がちゃかした。
「でも、付き添ってくれて本当に嬉しかったよ。ずっと病院に着くまでさすってくれていて、ありがとう。感謝してます」真面目な重美らしい言葉だった。
「何ぃ? さすってもらった? 俺も腹痛になろう」世古が言った。
「あんたにはよう触らんわ」とミッコ。
「大したことなさそうで安心したわ。元気でいてね。また、会いましょうね」とキミからだった。