サラリーマン生活三十五年、そして大きな決断
大手電機メーカーに就職し、それなりに勤め上げ一環して営業を担当してきました。様々な経験をし納得したこともあれば、そうでないことも。充実した時期もあればそうでない時期もありました。そして漠然と六十歳定年まで勤め上げることに何か自分自身の中に疑問が沸いてきたのが五十歳過ぎてからだったと思います。
入社してからがむしゃらに働いた二十代、月末期末は徹夜もしたし、二軒三軒ハシゴ酒で朝まで飲んだことも。体に悪いこと疲れることも随分やったけど若く体力もあったから何とかやれたんだと思います。
三十代に入り結婚し家族も増え、責任ある仕事も持ちストレスが多くなったように思います。気を遣う相手は半端なく多くなり、目を向ける方向も得意先お客様だけではありません。会社組織も大きかったので、社内外多方面にも気を遣う場面も多くなりました。
四十代に入っても六十歳定年まで働くことに迷いはなく、いや迷う暇なかったというのが実情だったと思います。三十代四十代は登山でいったら登りであり、足元を一歩一歩前へ進む感じで、とにかく目先の仕事をやり遂げることで精一杯。その先の自分の人生を考える余裕などは全く無かったですね。一日一日毎月毎月そして一年一年と……。一年があっという間で、振り返ってみれば私自身が流されてた感じ。
そんな会社生活を送る中で同期の仲間が病気で会社を辞めたり、昔はいい人だったのに上の役職につき人が変わったりで何か今の会社生活、いやこの生き方は凄く自分をごまかしてる! もっと言えば自分らしくない!(ちょっと大げさかも)と思うようになったのは五十歳になった頃だったと思います。
その頃から仕事に対するスタンスも変わり、ある意味モヤモヤとしたのも無くなり淡々と仕事をし、プライベートも充実できるようになったように思います。一歩一歩山頂目指し踏みしめて登頂し、やっと周りの風景がこれからの人生がしっかりと見えるようになったんだと思います。足元しか見えなかった三十代四十代とは風景が一気に変わった感じでした。
そうなると今のままではダメだ! 好きなように好きなことをやらないとと思ったのが五十代になってからでした。