カーボンニュートラルっていつまでに何ができればいいの? 進路が大きく分かれた国内の自動車メーカーの将来の展望
日産は2030年初めには新車は全て電動車にすることを掲げた。また、ホンダは2040年までに新車は全てハイブリッド(HV)も含まない電気自動車(EV)にするという。対して、トヨタは2030年に電動車の世界販売台数目標を800万台にすると発表した(※電動車とは、電気だけで走る電気自動車(EV)、水素自動車(FCV)、プラグインハイブリッド(PHV)、ハイブリッド(HV)、全ての総称)。ただし、トヨタだけは既存のエンジンを使って水素エンジンの開発までしている。
先日のニュースでは水素自動車で耐久レースに出場して完走した。この試みもトヨタにしかできないのだろうか?
そして、2週間ほどたって今度はホンダが水素自動車(FCV)のクラリティの販売を、販売不振を理由に終了するというニュースがあった。この各社の将来像を見聞きすると、最近の各社の動きにも合点がいく。いま(2021年7月)の自動車メーカーのホームページとカーラインナップは将来を暗示しているようでとても興味深い(ただし、毎月のように新しいニュースがリリースされる)。
もちろん海外の自動車メーカーも同様に日本に向けてのメッセージを発信し、またひと昔(10年?)前には想像できなかったようなカーラインナップになっている。
私が最近の資料を整理したところでは、電動車の中でもハイブリッド(HV)も近いうちにやめて、ほぼ電気自動車(EV)一本の方向を目指そうとしているのが、日産、ホンダ。それに対して電動車全て、すなわち電気自動車(EV)はもちろんのこと、ハイブリッド(HV)、プラグインハイブリッド(PHV)に水素自動車(FCV)のフルラインナップに加え、ガソリン車の可能性も捨ててはいないというのがトヨタで、“86”と兄弟車種の“BRZ”があるスバルは一部トヨタに追従している。
電動車はハイブリッド(HV)あるいは電気自動車(EV)どちらも数車種のみで、ガソリン車も多いのがマツダ、スズキといったところであろうか? 言い方は悪いが、自動車メーカーの方針は本当にころころと変わる。三菱は電動車志向であろうか?
もちろん1年後にはこの業界図が変わっている可能性も高いし、各社における電動車の比率も年々変わってゆくことであろう。いずれにしてもあと10~20年でクルマの排ガスはさらにきれいになり、日本のモータリゼーションが産声を上げる前の東京の空が戻ってくるのかもしれない。