しかし「視力さえ良ければ良い眼」「良く見えるメガネであれば良いメガネ」という思い込みは間違いです。なぜならば視力のみで判定されるいわゆる「良い眼」が引き起こしやすいのが眼精疲労であり、往年の眼性神経衰弱だからです。

遠視、遠視性乱視、潜伏遠視という眼は比較的遠方の視力には恵まれていて精密検査をしなければ正常な正視との区別さえつきません。近視眼の人が強すぎるメガネを掛けている場合、遠方の視力は屋根瓦の一枚一枚まで見えるほどで、当然当人は視力に合ったメガネを掛けていると思っていますが、頭痛がして勉強を頑張ろうにもすぐ疲れるという症状を抱えていることもあります。このため眼の検査をしてみたら、強過ぎるメガネであることが判明します。

このように強過ぎるメガネを掛けた近視眼は遠視眼と同様の状態になっているのです。したがって、本当に良い眼か、本当に安心して使えるメガネかを判断するには、専門家による十分な視力測定が必要となります。

眼が原因となって引き起こされる症状としては、読書困難、頭痛、肩こり、便秘、腰痛、不眠、めまい、イライラ、吐き気、偏頭痛などさまざまなものがあることは眼科学では既に知られていることです。これらの症状を起こしやすい眼には、適正なメガネを装用させれば短日時のうちに長年苦しんだ症状から解放されるのを自覚できますので、眼が原因であることが分かりやすいものです。

したがって、視力の良否のみでは真の眼の良否及びメガネの適否を判定することはできないということです。短時間のメガネの装用テストの間にも治癒効果が自覚できるのが眼因性疲労の特徴であることから、医療の専門家でもない眼鏡店の店主が、視力の向上するメガネにさらに付加価値の高い疲れの取れるメガネを提供できたのだと思われます。

店舗内で装用中に効能が判りメガネ購入につながるケースは少なくありません。眼とメガネにはこのような関係がありますから肩こり・首筋のこり、頭痛、読書困難などがあれば専門家を訪れて遠視の有無、乱視の有無、老視の有無そして斜位の有無までチェックして、メガネの装用テストを受けてみたらいかがでしょうか。