「ネット句会」なるものもできます。私が参加している句会は師匠(我々の先輩)を始め、会員約45名、毎月〆切日までに、その月に作った俳句3句をネットで師匠に送ると、師匠が皆の句をシャッフルしてコピーをして、全会員に送り返してくださいます。
その送り返された句表の中から「これ」と思う句を選び、選んだ理由を書いた句評を、再度師匠に送り返します。この段階では選んだ俳句の作者が誰なのかは分かりません。師匠が最終的に「天・地・人・佳」を決めて、私共の句評と合わせまとめて送り返してくださいます。
お互いの評を読み、選ばれた理由も分かるようになっています。最後には師匠の評があり、細かく間違いなどを指摘してくださいます。大変励みにも勉強にもなっています。不思議なことに、やはり〆切日がないと意識が日常に埋没してしまい作品はなかなか顕れてきません。
我々仲間でよく話題にするのは木曜日の夜7時からTBSで放映している夏木先生の「プレバト」です。ズブの素人から「名人」と言われる人まで殆どが芸能人ですが、先生の添削が実に面白いんです。
「歯に衣を着せぬ辛らつさ」で出演者たちの俳句を、バッサ、バッサと滅多切りにしてゆきます。出演者たちはいくら傷ついても出演料・ギャラをもらっているので文句は言えないはず。きっと皆切られて楽しんでいますね。
自分の俳句を友達に送ってもいいし、仲間が増えると楽しいです。
ちなみに私の俳句を披露させていただきます。
「冬の月寝返り打ちて目の底に」は師匠から次のような評をいただきました。
「保花さんは介護付き老人ホームに入られたと聞いていたが、こうして身の周りを俳句にまとめているのを見ると、俳句で元気を回復されるのを祈らずにおられない。「寝返り打ちて」には実感がある」(2020年12月の句会にて、師匠の評)
句は、天から降りてくるインスピレーションのように数秒でできるときもあり、数日間温めておいたイメージが、内側から、ある瞬間光ることがあります。
「物の見えたる光まだ消えぬ間に言い止むべし」
芭蕉先生のおっしゃっている光と、私の光と違うかもしれないし、かなり近いものかもしれません。言葉を組み立てるのではなく言葉が自然に自ずから然るべき場所に並んでしまう、そんな気がしています。
ですから私の句はそれぞれが愛おしい。下手でも、そのうち大きくなってくれそうで。