「ただいまー」
そして、京子が帰宅した。妹の結子とのじゃれ合いから逃れるように、愛犬のチワワのちぃちゃんが出迎えてくれた。
「ちぃちゃん!」
「ハッ、ハッ、ハッ……」
今度は姉の京子に揉みくちゃにされる、愛犬ちぃちゃんだった。
「京子、夕食できてるわよ」
母の真輝子が夕食の準備をしていた。
「母さん? 父さんジム通おうかなぁ……。もう一度身体を鍛え直してみようと思うんだけど……」
弘の眼は、真剣だったが、真輝子は特別気にしなかった。
愛犬のチワワのちぃちゃんは、再び京子とのじゃれ合いに嫌気がさしたのか、また必死に逃走を試みようとしていた。
「ちぃちゃん、カワイイねぇ! ねぇ!」
こうして、京子の一日が終わろうとしていた。