【前回の記事を読む】地獄絵図に絶句…首のない鶏「手を離したら、胴だけが走るべ」

野鳥観察(2016年5月)

今年の春は、例年にないくらい暖かい、いや、ともすれば暑い日が多かった。桜の開花も早く、そしてあっという間に散って気づけば山の木々は瑞々しい新緑の輝きを放ち、野鳥のさえずりが賑やかになり、初夏の到来である。

近くの東野地区の水田にはいよいよ水が張り始め、田起こしに代しろかきにとせわしく動いていたトラクターの代わりに田植え機があちこちで動き始めている。そして、我が家でも、堆肥散布に畑の耕起、種の蒔きつけと充実した日々が続く。

田舎に住んでいると、こうした季節の風物詩を肌で実感することができ、とても幸せだ。「スモモの花が咲けばなにを蒔いてもいい」とか「カッコウが鳴いたらなにを蒔いてもいい」と親父や近所のじいさんばあさんはよく言っている。昔の人のこういった知恵は、下手な天気予報よりもずっとあてになるもので、僕もその知恵を少しでも継承していかなければと常に思う。

今年も先日、カッコウの鳴き声を聞いた。実は最近、バードウォッチングに少し興味をもつようになった。もともとは野鳥には全く関心がなかったのだが、知人の影響を受けて、今年に入ってから安いカメラを購入して、たまに家の付近で鳥にレンズを向けている。

鳥はその容姿や飛び方、鳴き方などで種類を見極めるため、知れば知るほど興味が湧く。我が家の家の周りは山奥なので森林性の野鳥が多く、水辺の鳥もかなりいる。多種多様な鳥の観察が家を1歩出れば楽しめる、まさに野鳥王国だ。

特に感動的だったのが、ヤマセミという鳥が我が家の近くに営巣していて、しょっちゅうその姿を楽しめることである。ヤマセミは水辺近くによくいる鳥で大きさはハトよりも少し大きく、白黒のまだら模様の体色だ。道内では希少種に指定されていて、しょっちゅう見られるものではないのだが、我が家ではほぼ毎日その鳴き声を聞くことができる。運がよければ、家の近くの電線にとまることもあり、間近でその姿を拝める。

もともと田舎好きの自分だが、バードウォッチングを始めてますます田舎好きになった。野鳥といえば、八雲は道内でも有数のオオワシ・オジロワシの飛来地。バードウォッチャーにとって八雲は天国みたいにいいところなのだということを改めて知った。