2015年は初めに網走刑務所を見て、その後に知床五湖の遊歩道を散策した。

実は私は網走刑務所にはあまり行きたくなかった。何となく暗い感じがするし、蝋人形を使って当時の刑務所の生活の様子を再現しているシーンを見るのも気乗りしなかった。かみさんと子供達が行きたがったのでしかたなく……という感じだ。

札幌に赴任した当初、会社の懇親会で知り合ったある会社の方に吉村昭氏の『赤い人』という小説を是非読んでみてください、と言われた。その方は自分の会社の部下の方にも読むよう勧めているという。実際に読んでみると内容的に結構重くやや暗い気持ちになる……。

話のあらすじは明治維新後、本州から囚人(赤い囚人服を着ていた)を大量に北海道の刑務所に送り込み、強制労働させて道路建設等のインフラ整備を進めていった過程を描いているというもの。寒さや病気(精神病含む)で次々と囚人が死んでいく、苦痛に耐えかね脱獄を試みるが直ぐに連れ戻されまた強制労働を強いられた……。

北海道は開拓民が苦労して切り開いた土地とは知ってはいるものの、その苦難のプロセスをこの本で改めて生々しく思い知らされた。その後、会社で読書家だった私の部下が吉村昭氏の『羆嵐』という小説を読むよう勧めてきた。この小説は北海道の(さん)()(べつ)という場所で起きた獣害、ヒグマが開拓民を襲い7人が死亡した凄惨な事件を描いた作品。『赤い人』でお腹いっぱいという感じだったので私はこの本は読まなかった。