もう一つ現代的な特異事例を挙げてみましょう。テレビ報道などで選挙の投票風景が映されます。

外国の選挙投票用紙の大きさに違和感を覚えたことはありませんか。日本の用紙は小さい紙切れなのに、諸外国の用紙は格別に大きいのに気付きます。日本人は漢字、平仮名、カタカナを国民全員が読み書きできますから投票したい人のみの氏名を書けば済みます。

ところが字の書けない国民の多い国は、大きな投票用紙に候補者全員を記載しチェックさせて投票するしかないのです。

日本のような識字率の高い国は世界にないのです。

仏教はインドに発しました。中国経由と東南アジア経由があり、最終の仏教最高蓄積地は日本です。仏像を見ますと、日本の天平勝宝時代に開花した日本仏像彫刻の素晴らしさ、芸術性は、経由国のそれ等を断然圧倒するものになっています。日本人にはそれが当たり前で気が付かない人が多いのでしょう。

一事が万事。日本は古代より外国から取り入れたものを咀そ嚼しゃくし、全く新しい、人間の生活に役立つものをつくり続ける能力が他国を断然圧倒してきていることが分かります。

「日本文明は八世紀から独自の文明である」とハンチントン教授も指摘しているのです。この伝統は近現代でも発揮されています。

英国の女王が讃嘆(さんたん)したという便座ウォシュレット。洋式便器は元々輸入したものでしたが、TOTOが開発発明し、世界を圧倒しています。現在の日本文化は本家本元の西洋あるいは中国を遥かに凌駕しており、彼らが改めて日本文化を"すごい"と称しているわけです。これは日本人の優秀さ、"手の工夫の文化"に依拠していると思います。