俳句・短歌 短歌 2022.06.17 短歌集「茜色の空」より三首 茜色の空 【第13回】 有波 次郎長 人間の美しさとみにくさ、コロナ禍での生活、忘れられないあの女性……。 ささやかな日常を詠った誠意ある作品、幅広く物事を取り上げ、「今」を鮮烈に詠いあげた短歌集。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 大昔初めて君と会った日に初めて時間が動き始めた *誰しもこんな恋がある。 【よさこい】 びた一文貰わず街に花咲かすよさこい人は七福神か ニッポンの自慢の個性がギッシリと繚乱ひしめくよさこい祭り
小説 『アイアムハウス』 【新連載】 由野 寿和 静岡県一家三人殺害事件発生。その家はまるで息をするかのように、いや怒っているかのように、大きく立ちはだかり悠然としていた 午前十一時。サイレンを鳴らさず、車両は静岡県藤市十燈荘(じゅっとうそう)に到着した。静岡中央市にある県警本部から十燈荘までは、藤湖をぐるっと大回りして藤市経由でトンネルを通り、小山を登ることになる。藤湖を見下ろす高級住宅街、十燈荘は、土曜の昼だが活気はない。既に外部への交通規制が敷かれているとはいえ、不気味に静まり返っている。ここで殺人事件があったことを、住民達が知っている気配はなかった。その家…
小説 『不倫された側[人気連載ピックアップ]』 【第6回】 及川 夢 「帰りたいなぁ…」長くて孤独な連休4日間が過ぎ、仕事が終わるとまた一人車中泊。この時にちゃんとあやまっていたら… とにかくすることがない。車の中ではテレビがついている。ニュースで、交通渋滞20キロなんて伝えている。チラッと時計を見る。まだ午前10時。お腹も空かないし食欲もない。手元にあるコーヒーを飲み、また時計を見る。10時10分。テレビの内容も頭に入らず、ニュースキャスターの声がBGM代わりに車の中に響いている。精神的に落ち込んでいるから、音楽とか映画とかスポーツなど、楽しい発想なんて出ることもない。トシ…