俳句・短歌 短歌 2022.07.24 短歌集「茜色の空」より三首 茜色の空 【第16回】 有波 次郎長 人間の美しさとみにくさ、コロナ禍での生活、忘れられないあの女性……。 ささやかな日常を詠った誠意ある作品、幅広く物事を取り上げ、「今」を鮮烈に詠いあげた短歌集。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 【コロナ禍】 免疫とウィルスの戦争始まりて店員だけのカフェに声出ず 既にもうテレビのニュースに非ずしてコロナの火の粉払いつ逃げる 玄関を出てから人が気にかかるコロナを帯びた人が見ている
エッセイ 『カサンドラ症候群からの脱却[人気連載ピックアップ]』 【新連載】 Happy Navigator 那美 妊娠4ヵ月目の裏切り......夫が会社の同僚と肉体関係を持っていた。「だってお前が、子どもを欲しがったから」 夫とは、私の会社の同僚の友人という形で知り合い、1年半のお付き合いの後、結婚しました。もちろん、幸せになるために結婚しました。子どもたちと一緒に温かい家庭を築くことが目標でした。1年半のお付き合いの中でも、私は特に彼に違和感を持つことはありませんでした。いま思えばなんですが、結婚に関して前進する手続きはすべて私がやりました。・結婚するまで二人で積立する・家具や生活用品を買う・結婚式の日取りを決め…
小説 『左遷、最果てのパラダイスへ』 【第9回】 木山 空 手作り弁当に隠したメッセージ。「もし気づいてくださったら、前に進むことに決めていました...ワインを揃え、部屋に来ていただく準備をしました」 水島夕未の部屋はマンションの12階で結構広い。部屋はとても綺麗に整頓されている。部屋全体は黒と濃い茶色を基調としてシックな作りだが、白いディナーテーブルが対照的に映えている。テーブルの上にワインのクーラーボックスとワイングラスが2つ置いてあった。「これは?」「今夜、ご一緒しようと思って用意していました」「え、予定していたということですか?」「はい、1週間前から計画していました」「1週間前から?」…