俳句・短歌 短歌 2022.08.12 短歌集「茜色の空」より三首 茜色の空 【第17回】 有波 次郎長 人間の美しさとみにくさ、コロナ禍での生活、忘れられないあの女性……。 ささやかな日常を詠った誠意ある作品、幅広く物事を取り上げ、「今」を鮮烈に詠いあげた短歌集。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 包囲され夜中に自転車走らせるコロナが我を追いかけている ウィルスより客の怒号が恐ろしいマスク求むる声荒みゆく 空咳を漏らせばすぐに矢のような眼光飛ばすそら狙撃兵
小説 『終恋 [人気連載ピックアップ]』 【第4回】 高生 椰子 初恋の人と40年ぶりに会うことに。待ち合わせ場所で(あの人なら会いたくないな)と思っていると「緑のジャンパーを着ています」と… 【前回の記事を読む】40年会ってない元カノに会いたくなる男の心理って? 男友達に相談すると「俺なら会わん。何かあるで、それ」…嫌な予感がする待ち合わせ場所である梅田駅前のビルに着いたのは約束時間の15分前だった。一階の書店で10分程雑誌の立ち読みをするが、文字が頭に入ってこない。5分前に指定したエレベーター付近に移動すると何となく彼に似た細見で小柄な男性がリュックを背負って立っていた。ちょっと似…
小説 『テラスの旅路Ⅰ』 【第20回】 響乃 みやこ 「はぁ? なんだよ、あれ…!!」突如、巨大生物が現れた。その背中には、地面だと思っていた木や建物…陸地が、そのまま乗っかっていた 【前回記事を読む】星を見ながら楽しそうに話す彼女を見ると、笑みがこぼれた。何故かはわからないが、ただ「綺麗だな、って思って」「だーかーらー! 宇宙人はいるんだって!」「いや、いるわけねえだろ。見たことあるのかよ、お前」「だって! ロボットとか空飛ぶ車とか作れるくらい文明は発展してたんだよ!? 宇宙人の一人や二人、見つけてたっておかしくないじゃん!」「宇宙人いたならいたでとっくに地球にその存在自体…