【前回の記事を読む】中卒の社長が語る、上にいくために共通する「物事の段取り」
持論13
独立して1年が経ち、この1年で学んだことを書き記しておこうと思う。
まず学んだことは、従業員の頃に予測して覚悟していた独立して1人でやっていくことのプレッシャーの大きさだった。覚悟はしていたが予測を遥かに上回るプレッシャーだった。
まだ従業員だった頃に先人の社長方から駆け出しの頃は夜も寝つけないほど大変だったなど、そういった話を多々聞いていたので自分の考えられる最大限のプレッシャーを想定し備えていたが平成27年11月末頃に年内の仕事がパッタリ無くなったときがあった。このときには従業員2人、外注1人を使っていたので計3人の仕事を確保しなければならなかった。
実際に経験して思ったが、こういうときには自分のことは二の次で、まず従業員の給料をどうしようと思うプレッシャーが重くのしかかってきた。
この時期は自分の本業での元請けは一社だけだったのでどうしようもなかった。そして自分は従業員に自分の力の無さでこうなったことに対して頭を下げ畑違いの仕事でも何か取ってくるから今は少し耐えてくれと、お願いして手当たり次第に知り合いに連絡し畑違いではあったがなんとか従業員の仕事1週間分だけは確保できたが、それだけで年内の見通しはつかなかった。
このときの心境は経験しなければ分かることではないと思った。予測してプレッシャーを打破する覚悟でいたが、ただの気負いでありカッコつけであったことが、仕事に穴を開けた自分の無力さが言い訳する余地も与えず証明してくれた。この気持ちは一生忘れないだろう。
そして年内の見通しがつかなかった自分は、飛び込み営業にいくことを考えたが足元を見られ安値で使われたら独立した意味が無いと思い留まった。金額の交渉をすればいい話だが自分はまだ元請け1社での金額しか知らなかったため、その金額が世の相場ではないかも分からない、もう少し金額と相場の知識をつけてからでないと足元をすくわれる、そんな気がしたので営業にいくことはやめた。
そして考えた結果、少しの蓄えはあったこともあり何よりも仕事に穴が開いたときにブレて道を迷いそうになった自分の弱さを鍛えるために、年内はあえて何もしないプー太郎をしようと決断した。よくよく考えれば仕事に穴が開くことは、1カ月は無いにしろ3日、1週間は当たり前にあることなのでメンタルを鍛えることとした。