【前回の記事を読む】関連人物・年表でわかりやすく解説!~明治維新にいたるまで~
第一章 明治維新とは何だ
第二節 大日本帝国の国体と装備
――この節では日本国が明治の時代を迎え、その体制の過程をどのような規模で揃えたかを紹介する。なお、以後初出以外の名称・用語は一部省略することもある。
大日本帝国とは明治元年(一八六八)~昭和二十二年(一九四七)迄の期間を言う。その時代の三帝は孝明天皇に続く明治、大正、昭和の天皇である。
「明治維新」は二〇〇〇年を超える日本の歴史上、最も大きな改革である。改革というよりも、革命と言うべき国体(国のあり方)の変化であろう。その事変は大和民族(本書中は日本民族の意)の超権力の移動であろう。そこを読者と共通の認識をおく為に、概略でよいからその流れはしっかりと学習し、押さえていきたい。
話の内容は複雑多岐であるから読者に自信が持てる、第一歩の解読としたい。ここを超えられないと『彷徨える日本史シリーズ』の第四弾は超えられない。先ず神話・古代の時代を読者と共に復習しよう。
一読、又は流し読みくらいで進まないと遥かに遠い明治維新に辿り着けない。我らも各項目のポイントだけは押さえ、そのあとは主役が誰であるか、そこをまず知りおこう。ここからしばらくは大学授業で言えば集中講義の様相であるが、そこが一気通貫の学習の厄介なところでもある。一気に通り抜けよう。
ここでは、神州ニッポン・神代の天皇から令和天皇までを対象にする必要があるため、天皇の名前が頻出する。すべての天皇名はとても覚えられない。筆者も覚えていないから文献を確認しながら、学習していきたい。また必要な人名・知りおくべき学術用語は初出において、敢えて色を濃くして記しておくつもりでいる。この方が読者の回読学習に役立つものと思う。本文の趣旨に入ろう。
その時代に於ける覇者が国内外の変化に合わせ、そこに学習と工夫を取り入れ、如何に大和民族(民族学では大和民族と日本民族は同一概念ではないかもしれないが拙本では同一として使用する)に繁栄の基礎を造りあげてきた国体であるかを知らねばならない。
筆者が度々、彷徨える日本史シリーズのなかで引用するが、愚者は経験に学び賢者は歴史に学ぶというドイツの政治学者オットー・フォン・ビスマルクの格言に光明を見出し、優れたる大和民族の系譜の一国民として、蹲踞の心地を用意しておきながら学習したい。