【前回の記事を読む】日本史で習う「五箇条の御誓文」発布に込められた真意とは
第一章 明治維新とは何だ
第一節 五箇条の御誓文と大日本帝国憲法
コロナウイルスが地球上の人間に対して、猛烈に襲い掛かってきた。しかし、どこの国の人にも、相手の差別なく感染の激流を送り込んできた。ここでもお国柄とか経済の差によって見方によれば、必ずしも平等ではない一面もあろう。
筆者はそこに言及出来る程の知識は全くない。ただ、専門家と言われるひとたちの纏まりを欠く、頼りなさげの話でもしっかりと受け止めている。幸いにして、現在の日本国は後進国ではないし、発展途上国でもない。文化レベルも自由民権も侵害されているとは全く思っていない。
明治の賢人たちが日本人をより良き方向に導いてくれたことも先人賢者たちに感謝をしよう。当然、ここまで日本国が彷徨いながらもしっかりと足跡を残してくれたのは、時代〳〵、それなりの立場が自分の子孫と血統を守ってきたからではないかと、的外れな確信を持っている。
◉大日本帝国憲法
明治二二年(一八八九)公布。帝国憲法・旧憲法とも言われることもある。東アジア最初の近代憲法であり、一九四七年の有効期限終了まで一度も改正されたことはない絶対効力の憲法であった。この憲法の是非について色々な見解もあろうが、今回はそこに触れないでおきたい。
次に日本国の国体の変遷を復習し、大日本帝国憲法の公布と施行が国民にどれ程の高揚感を与えたかを的確に学習しないと、明治新政府も国民大衆も単なる空騒ぎになってしまうだろう。幕末期から明治維新を深く学習し楽しむためには、登場人物と改革が多い。
それを理解するには文字を眺めるだけでは、明治維新が厄介で面倒な印象だけが残る。そこで少しだけわかり易くする為に、読者にここで目安を記しるしておきたい。参考に出来るところがあれば参考にして頂きたい。
参考資料1 明治維新関連人物
維新を理解する為に知っておきたい人物。最初から多数をおぼえられなくてもよいから人物イメージを明確にすること。
・西郷隆盛( 薩摩藩士一八二八~一八七七・人格者、陸軍大将兼近衛都督)、明治天皇と仲良し。
・大久保利通(薩摩藩士一八三〇~一八七八・初代内務卿、総理大臣クラス)
・木戸孝允(長州藩士一八三三~一八七七・第二代文部卿、大久保利通と不仲)
・伊藤博文(長州藩士一八四一~一九〇九・初代内閣総理大臣、立憲政友会)
・山縣有朋(長州藩士一八三八~一九二二・元帥陸軍大将、軍事プロ、第三代九代総理大臣)
・江藤新平(佐賀藩士一八三四~一八七四・司法卿 維新一の明晰頭脳)
・大隈重信(佐賀藩士一八三八~一九二二・岩倉使節団人選、外事通、第一七代総理大臣)
・副島種臣(佐賀藩士一八二八~一九〇五・東アジアに委しい外交官、内務大臣)
・勝海舟(徳川幕臣一八二三~一八九九・徳川の初代海軍卿、唯一旧幕臣として初めて明治政府参議となる、世界事情に明るい)
・三条実美(公卿 正一位大勲位 太政大臣一八三七~一八九一・名家出の公家・優柔不断の評)正院閣議がまとめられず病に伏して後太政大臣の職を辞す。
・岩倉具視(公卿 正一位大勲位 太政大臣代理一八二五~一八八三・下級公家・野心家の評)大久保と入魂の仲、三条辞任後空席を狙って就任。伊藤、大久保が尽力した結果の人事である。この人事が西郷、板垣、江藤等を下野に追い込む、江藤以外は承知の人事。
・明治天皇(一二二代天皇 睦仁天皇 二〇歳 一八五二~一九一二)若くしての在位、孝明天皇の実子 近衛隊長の西郷と近し、後に西郷同伴で薩摩に禦幸するが参議の島津久光と対談ならず。