第一項 日本国の時代の流れと為政者・権力者を知る

―― ㈠~㈧のここは読者の流し読みで良いが、長期間にわたる政権の流れは知っておきたい。

筆者が、長々と天皇と為政者の粗暴な扱いであるが、何故ここで列記したかを第二章第二節の中に於いて各ポイント箇所で指摘し、説明することにする。神話の定義は色々あろうが、古事記・日本書紀に頼りひと筋だけ触れておきたい。

㈠ 神話とは実体は明らかではないのに、長い間人々によって絶対のものと信じこまれ、称賛(しょうさん)畏怖(いふ)の目で見られてきた事柄(ことがら)とある。神代(かみよ)の覇者、天皇族の存在。ライバルとして隼人(はやと)族(鹿児島・宮崎の南部)・日向(ひゅうが)族(宮崎)がいた。

何れも九州地区であるが、中国地方の島根県辺りに出雲(いずも)族という氏族も存在していた。ここらあたりは神話・伝説の領域であるためその点は差し引いて読み解く向学姿勢が必要。研究者も少ない。

筆者も不得意な古代史の為、先行学者の知識を引用するにとどめておきたい。地域伝説の様子もあるが、深い信者も多く村ごと一帯がその(まま)、神話のような村域もある。そこには霊験(れいげん)あらたかな空気が(かも)し出され漂う様子で民衆を優しく守る。ただ、神話・行事・伝説を辿ると宮崎日向説(ひゅうがせつ)が色濃い。

また一方では「卑弥呼(ひみこ)」の伝説もあり、我々初学者では中々、手が付けられない。もっとも卑弥呼は各地の遺跡からも出土の話は多く、現在は北九州説と近畿説が古墳の出土からの手掛かりで有力である。しかし卑弥呼は福岡県の志賀(しかの)(しま)から出土した金印にある「漢委(かんのわの)(なの)国王(こくおう)」の存在や()われと、反対の正当らしき偽物説もあるが、筆者はここは志賀島説を支持しておく。