循環器系都道府県立病院を徹底比較!経営実績の差は…
公立病院改革
【第1回】
堀口 陸夫
いち早く独法化した大阪府と、税金を垂れ流し続ける東京都。その違いとは――。
※本記事は、堀口陸夫氏の書籍『公立病院改革 地方独立行政法人化の有効性の検証』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。本記事では、10年近くの年月をかけ「公立病院改革」というテーマで調査研究を行ってきた著者が、過去の書籍では言及しなかった個別の公立病院の経営実態をできる限り明らかにするとともに、公企と独法による経営実績を比較して、どのような違いがあるのか、独法化は経営収支の改善にどの程度有効であるのかを検証した記録を掲載します。
評価結果――経営形態別評価
(1)都道府県立病院
①循環器系病院
循環器を専門とする都道府県立病院は全国で5病院しかなく、公企が4病院で独法が1病院(神奈川県)であった。
従って、公企と独法の比較は添付資料A-1~3の経営実績比較表・同分析表・同ランク表を元に、公企4病院の平均実績値とその中の代表事例として群馬県立心臓血管センター(以下、群馬心臓C)の実績値を独法の神奈川県立循環器呼吸器病センター(以下、神奈川循環器C)の実績値と比較してその違いを明らかにすることにした。その比較結果は以下のとおりである。