【前回記事を読む】妻の姉をソファーに連れて行き、そこにそっと横たえた。彼女は泣き続けながらも、それに抵抗することはなかった郁子に対しても、両親に対しても、亜希子はずっと頼りになるお姉ちゃんを演じ続けてきた。母佐知子はそんな亜希子を信頼してか、郁子のことは亜希子に任せきりだし、寝たきりの父邦夫は甘ったれの郁子が独占していた。亜希子自身が頼るところといえば、悟以外ではそれは自分自身でしかなかった。『…
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