賢治は今年三十二歳になる。大学卒業時にこの国の先行きに疑問と不安を感じながらも就職した。その、普通の出版社だと思って就職した「東方社」は軍の情報関係と結び付いている会社で、その社命によって上海で暮らし、終戦後の混乱の中引き揚げてきたのである。山家中佐は戦乱下の上海で、賢治は東方社からの出向のはずが、その意思とは関係なしに陸軍報道部の軍籍があるとされたときの上官で、当時は軍隊での上官と部下という立…
長編歴史小説の記事一覧
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