鬼島と川田は、手提げ鞄を手に持って林道を歩き始めた。歩き始めるとすぐに、門前の雪を溶かすために民家から流れ出した水流を横切らなければならなかった。水流は林道を覆っていた。氷点を下回る極寒の冬山においては、水はすべてを凍らせる魔物であり、自らの身体も含めて、携行物は極力濡らさないようにしなければならない。一旦水がついたら下山するまで満足に乾くことはなく、雪や氷風に曝されれば凍りつく。それが身につけ…
遭難の記事一覧
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小説『小窓の王』【第6回】原 岳
冬の剣岳、彼らが命を落としたあの山行の一部始終…「最短で六日間の計画。そのうちには必ず悪天の周期があるはず」
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小説『小窓の王』【第5回】原 岳
「息子は何で死ななけりゃならなかったのか……本望だった、本望だったって、そう思わんと救われんのでね」
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小説『小窓の王』【第4回】原 岳
線香を取り、火をつけて手を合わせる。葬儀の時も同じ遺影だった。屈託なく顔を崩した、おおよそ山屋とは思えない素直な笑顔。
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小説『小窓の王』【第3回】原 岳
あの冬、剱岳での遭難事故から…もう初夏だ。あの人の写真をなぞる。「早く、迎えに行きますから。必ず、探し出しますから」
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小説『小窓の王』【第2回】原 岳
遭難事故報告書と彼の登攀道具をバッグにしまう。彼のことは、ほとんど知らない。彼の葬儀で、少しは聞いたが…
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小説『小窓の王』【新連載】原 岳
【山岳小説】あの遭難事故以来、こんなことが続いている…手の指がない。握ると、握りようもない三指の断面がギロリと露わになる