病室には専用のキャッシュカードで使用できるテレビがあった。枕元のすぐ横の収納箪笥に組み込まれている。寝返りも首を動かすこともできない京子には、無用のものだった。だがこの病院では、許可制によりテレビの持ち込みが許されていることを知った。私は、さっそく申請書を提出して、数日後には京子の足元のベッドテーブルに、画面が高くなるアームをセットして、自前のテレビを持ち込んだ。視界が天井だけという事態は回避で…
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96歳患者「なんだか調子が悪い…」胃カメラの結果に医師驚愕
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エッセイ『ALS―天国への寄り道―[人気連載ピックアップ]』【第14回】島崎 二郎
「今日カラ、安心シテ、イイ?」「うん。いいよ。」―私は妻の苦しい気持ちも、優しさも理解できるようになっていた。
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終末期に医師に求められるものとは―治療よりも「看護」であり「介護」なのかもしれない
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