私の無敵艦隊が高波を蹴って航行するのが見えるわ。何かに激しく当たったり衝突したりすることはないの。白い絶壁の下をひとりで航海している。ああ、でも沈んじゃう、落ちちゃう! あれは戸棚の角、あれは子供部屋の姿見。でもみんな伸びて長くなっているわ。黒い雲のような眠りに沈んでいく。その厚い羽が私の両眼に押しつけられる。暗やみを進むと伸びた花壇が見え、ミセス・コンスタブルがシロガネヨシの後ろを回り走ってき…
[連載]波
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小説『波』【第9回】内木 宏延
【ヴァージニア・ウルフ『波』翻訳】太陽は、明け方にもまして幅の広い光の羽で家を包んだ。光は椅子やテーブルの輪郭を際立たせ、白いテーブルクロスを細い金糸で刺繍した。
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小説『波』【第8回】内木 宏延
【ヴァージニア・ウルフ『波』翻訳】歌うときに泣かないでいるのは難しいな…神よ眠れるわれらを守り給えと祈るときに。
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小説『波』【第7回】内木 宏延
「うすねずみ色の雲が浮かび、恐怖に身のすくむ木、怖くてどうしようもない木が、銀色の樹皮を脛すね当てのように纏まとっていた。元気を出そうとしても無駄だった。」
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小説『波』【第6回】内木 宏延
「そして叫ぶわ、『どうか私を、時間の輪の外にいつまでも放り出したままにしておかないで!』」
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小説『波』【第5回】内木 宏延
竜骨をも削れる切れ味の良い僕のナイフを持ったまま彼は彼女を追いかけた
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小説『波』【第4回】内木 宏延
「悲しいわ」って泣き叫んでいる君を見て僕はナイフを下に置いた。
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小説『波』【第3回】内木 宏延
「どうか見つかりませんように…」願いはむなしく、彼女が僕を見つけた。
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小説『波』【第2回】内木 宏延
硝子に反射したまぶしい光が、草の上でちらちらときらめく。
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小説『波』【新連載】内木 宏延
水平線の縁には弓なりの炎が燃え、あたり一面の海は金色に燃え上がった