【前回の記事を読む】僕のもっとも好きな時間はクレイン先生が聖書を朗読してくれるとき。彼の威光、そして十字架を見ると怒りが静まっていく。「彼は、真鍮記念碑に刻まれたラテン語そのものだ。何も見ないし聴かない。僕たちみんなから離れ、異教徒の世界に住んでいる。でも見ろよ、手でぱしっとうなじを打ったぞ。そんな仕草に惹かれ、人は一生、彼のことをどうしようもなく好きになってしまうのさ。ダルトン、ジョーンズ、エ…
[連載]波
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小説『波』【最終回】内木 宏延
【ヴァージニア・ウルフ『波』翻訳】一方で彼を敬愛し、もう一方で彼を軽蔑する。彼よりずっと優れている僕…でも嫉妬しているのさ
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小説『波』【第11回】内木 宏延
僕のもっとも好きな時間はクレイン先生が聖書を朗読してくれるとき。彼の威光、そして十字架を見ると怒りが静まっていく。
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小説『波』【第10回】内木 宏延
【ヴァージニア・ウルフ『波』翻訳】みんなの快活な冗談やうわべだけの表情が嫌いなの。
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小説『波』【第9回】内木 宏延
【ヴァージニア・ウルフ『波』翻訳】太陽は、明け方にもまして幅の広い光の羽で家を包んだ。光は椅子やテーブルの輪郭を際立たせ、白いテーブルクロスを細い金糸で刺繍した。
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小説『波』【第8回】内木 宏延
【ヴァージニア・ウルフ『波』翻訳】歌うときに泣かないでいるのは難しいな…神よ眠れるわれらを守り給えと祈るときに。
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小説『波』【第7回】内木 宏延
「うすねずみ色の雲が浮かび、恐怖に身のすくむ木、怖くてどうしようもない木が、銀色の樹皮を脛すね当てのように纏まとっていた。元気を出そうとしても無駄だった。」
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小説『波』【第6回】内木 宏延
「そして叫ぶわ、『どうか私を、時間の輪の外にいつまでも放り出したままにしておかないで!』」
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小説『波』【第5回】内木 宏延
竜骨をも削れる切れ味の良い僕のナイフを持ったまま彼は彼女を追いかけた
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小説『波』【第4回】内木 宏延
「悲しいわ」って泣き叫んでいる君を見て僕はナイフを下に置いた。
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小説『波』【第3回】内木 宏延
「どうか見つかりませんように…」願いはむなしく、彼女が僕を見つけた。
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小説『波』【第2回】内木 宏延
硝子に反射したまぶしい光が、草の上でちらちらときらめく。
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小説『波』【新連載】内木 宏延
水平線の縁には弓なりの炎が燃え、あたり一面の海は金色に燃え上がった