そして、1週間後、松葉は東京駅で伊藤と落ち合い、前山設計事務所に一緒に向かった。大山主幹はニコニコしながら、「約束通りでしたね。わざわざ持ってきて頂いて、たいへんでしたね」「いや、どうしても先生のご感想を直接伺いたくて持って上がりました」「ありがとうございます。早速、見せて頂きますか」大山主幹は、そう言ってサンプルを手にした。鋭い目つきでサンプルを見ていた大山主幹が、天井の電気にサンプルをかざす…
[連載]岬 上巻
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小説『岬 上巻』【第9回】まつはじめ
正式にアルミ鋳物天井格子の採用が決定!次は200年もつアルミ鋳物の笠木に挑戦!?
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小説『岬 上巻』【第7回】まつはじめ
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小説『岬 上巻』【第6回】まつはじめ
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小説『岬 上巻』【第5回】まつはじめ
農業、林業が盛んな宮崎県。常に政治の目は第一次産業に向けられ、その中での工業政策には限界を感じていて…
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小説『岬 上巻』【第4回】まつはじめ
貸し剝しの専門屋登場!? 突然支店長から関東工場の運転資金融資撤回発言!
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小説『岬 上巻』【第3回】まつはじめ
支店長との会食の日。「貸し剝がしが始まったのではないでしょうね?」慌てて否定する支店長
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小説『岬 上巻』【第2回】まつはじめ
突然の5千万円返済要求!! それは銀行側から「何としても借りてくれ」と頼みこまれた借入だった
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小説『岬 上巻』【新連載】まつはじめ
【小説】「なに!返してくれだと」工業会社社長に突き付けられた無理難題
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